骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、英語で「Osteoprosis」といい、穴だらけの骨という意味です。穴だらけの骨は正常な骨と比べてどこが違うのでしょうか?穴が多い骨は、骨の外観は変わりませんが骨の中のカルシウムが失われてしまっている状態になります。カルシウム不足の骨は、骨の外壁が薄くなり、中身は、すかすかな現象に近くなります。こんな骨では、体の重さを支えることができなくなるため、腰痛や骨折の危険性が高くなるのです。
骨粗鬆症とは、骨格の海綿骨部分でよく起こる病気です。人間は、若い時は骨質が細密です。ところが年齢を重ねるとともに海綿骨に大きく穴ができるようになっていきます。「骨粗鬆症」とは、骨格の密度が低下し、骨量の減る病気、つまり、単位骨質の密度が臨界値以下までに減少する病気のことをいうのです。
わが国の骨粗鬆症の患者さんは、女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と推定されています。これは、高齢化社会に伴ないさらに増加していく傾向にあります。
女性は、ホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、骨粗鬆症になる人の割合が高くなります。
男性は、女性に比べると、骨粗鬆症
になる人の割合は低いですが、加齢と共に腸管からのカルシウム吸収が低下するため、70歳を過ぎると骨粗鬆症になる人の割合が高くなります。
骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症の検査には、大きく分けて2種類の方法があります。一つが
骨密度測定といわれるもの、もう一つは胸・腰椎のX線撮影です。
1.食事療法
日常生活における、骨粗鬆症予防のための食事療法の基本的な考え方は栄養素を過不足なく摂取することです。日本人の高齢者において、800r/日以上のカルシウム摂取でようやくカルシウム出納がマイナスにならないことがわかっています。
更年期、老年期の骨密度減少を抑制するためには、最低でも800r/日以上のカルシウム摂取が必要です。また、カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDの多い食品を組み合わせることも大切です。
2.運動療法
運動習慣を身につけ、適度に骨に負荷をかけてあげることが、骨密度を保ち骨折
を予防するのに役立ちます。
また、屋外に出て日光に当たることで皮膚から体内へのビタミンD産生を促すことができます。
散歩(ウォーキング)や買い物に行くなどこまめに体を動かすことを心がけましょう。
3.薬物療法
骨粗鬆症の基本的な治療法はあくまでも食事で十分なカルシウムを摂る、運動をする、
日光を浴びるの3点です。しかし、骨密度が大幅に減少している人は、このような生活改善だけで骨密度を増やそうというのは無理があります。
薬物療法に用いられる薬としては、ビタミンD3、カルシトニン、エストロゲン、イプリフラボン、ビタミンK2などがあります。
指圧・マッサージは、どの骨に症状が表れているかを注意深く診ながらの施術となります。