高血圧は、肥満型の体質の人に多く見られます。
これは、血液量が増加し、心臓に負担をかけるなど肥満の人が必ずしも高血圧であるわけではありませんが、高血圧の発症率は肥満でない人の2〜3倍も高くなります。肥満の人が減量すると血圧が下がったという例は非常に多く、肥満の人が1kg減量すると、血圧は約2oHg下がるといわれます。肥満がなぜ高血圧を引き起こすかについては、次の通りです。
・循環血液が増え、心臓から血液を送り出す際に大きな圧力が必要となる。過食によって食塩の摂取量も増える。
・交感神経機能が亢進すると、血管が収縮し、血圧が上がる。
・インスリンに対して抵抗性が高まり、糖代謝が正常に行われなくなり、血圧を上昇させる。
肥満は高血圧だけでなく、高脂血症、糖尿病を合併しやすく、動脈硬化の進行を加速させる危険性が高まります。また、女性は更年期を迎えて女性ホルモンの分泌が衰えると、太りやすくなるとともに、臓器を保護する機能も弱まるため、動脈硬化の発症率が高くなります。
高血圧の方は、日常の規則正しい食生活と運動が必要となります。
塩分の過剰摂取は、降圧剤の効能を減少させてしまう作用があります。一日の摂取量を5グラム程度に抑えましょう。
また、運動も重要です。
息がはずむ程度の運動を継続しましょう。
適度な運動を続けると、次のような効果があります。
・肥満を解消することで、血圧が下がり、動脈硬化を予防。
・交感神経の緊張が緩和され、血管が拡張し、血圧が下がる。
・体液量が減り、血圧を低下させる物質が増える。
・ストレスを解消する。
日常生活において注意したいことは次の通りです。
・便秘を予防し、急激な温度変化を避けること
・血圧の急激な上昇を防ぐことが重要で、とくに冬場は、冷えた脱衣場や浴室、トイレなどで高血圧のお年寄りが倒れるといった事故が起こりやすいので注意してください。
健康診断などで高血圧が見つかったときは、早めに病院を訪ねましょう。
指圧・マッサージは、高血圧に対しても有効で、一時的に血圧を下げる作用があります。継続した治療をお勧めします。