「一次性頭痛」
「頭痛もち」の頭痛は、脳や体に病気がないのに、繰り返し起こります。
そこで、慢性頭痛とも、習慣性頭痛ともいわれます。
この頭痛は、どんなにひどくても、命に差し支えることはありません。
ですから「善玉頭痛」ともいえます。
「たかが頭痛、されど頭痛」のうちの「たかが頭痛」にあたります。
片頭痛と緊張型頭痛、それに群発頭痛が「善玉頭痛三兄弟」です。
「二次性頭痛」
頭痛にはくも膜下出血や脳腫瘍(のうしゅよう)など、「命の危険がある」病気が潜んでいることがあります。
したがって「悪玉頭痛」ともいえます。
「たかが頭痛、されど頭痛」のうちの「されど頭痛」にあたります
「悪玉頭痛」はマヒやボケを伴うなどふだんの頭痛と様子が違います。
「突然の頭痛」はくも膜下出血の可能性があります。すぐに脳神経外科にかかりましょう。
頭痛はおおまかにいうと、つぎの三つが頭痛の原因となります。
1.血管
2.筋肉
3.脳の病気
これらの組織の痛みが頭痛として自覚されるのです。
そのほかに、つぎのような原因もあります。
4.眼や鼻の病気による頭痛
5.気の病による頭痛(うつ病の頭痛など)
6.頭の神経痛(三叉神経痛)
頭痛はどうして起こるのでしょうか。
1.血管からおこる頭痛
頭の血管が拡張して炎症を起こすと、まわりの神経が刺激されて頭痛がおこります。
血管からおこる頭痛の代表に片頭痛と群発頭痛があります。
「片頭痛」は頭の血管が脹れて痛む頭痛なんです。
頭の片側が痛むことが多いのですが、両側が痛むことも少なくありません。
ずきんずきん・がんがんする頭痛です。ただし半分近くはズキンズキンを感じないといわれています。
片頭痛はしばしば吐き気も伴ないます。
ただ、血管が拡張しただけでは頭痛は起こりません。
血管のまわりに脹れ(炎症)をともなうといわれています。
2.筋肉や精神の緊張からおこる頭痛
頭や首のまわりの筋肉のコリや精神の緊張から起こる頭痛です。
これを「緊張型頭痛」といいます。
頭が締め付けられるような、重苦しいタイプの頭痛です。
ぞくに「頭重」といわれているのはこのタイプの頭痛です。
3.脳の病気から起こる頭痛
脳腫瘍(のうしゅよう)、くも膜下出血、髄膜炎(ずいまくえん)などが原因となります。
「最近経験したことがない頭痛」の場合に「脳の病気から起こる頭痛」の心配をします。
以上のほかにも「だれにでも起こる日常的な頭痛」もあります。
たとえば風邪、二日酔い、アイスクリームを食べたときの頭痛です
このタイプの頭痛は、原因がすぐに分かりますし、持病となることもありません。
本人も原因が分かっているので、頭痛を気に病むこともありません。
頭痛もちは日本にどのくらいいますか
約3000万人いると言われています。(国民の四人に一人)
緊張型頭痛は2200万人(15歳以上の国民の22%)います。
片頭痛は840万人(15歳以上の国民の8.4%)います。
群発頭痛はぐっと少なく、一万人に一人程度です。
悪玉中の悪玉、くも膜下出血と脳腫瘍は、毎年3万人程度発生していると推定されています。
指圧・マッサージに大きな効果を示すタイプの頭痛は、緊張型頭痛です。
肩や首、背中の筋肉の緊張をほぐすことにより、ほとんどのものは症状が軽快します。