椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、椎間板内部の髄核が飛び出してしまう状態を言います。
しかし、椎間板が飛び出ているだけなら、大した問題になることはありません。問題なのは、飛び出したものが神経を圧迫することにより、坐骨神経痛などの問題が生じることです。
椎間板ヘルニアのタイプとして次のようなものがあげられます。

・脱出型=繊維輪に亀裂(ヒビ)が入り、そこから中の髄核が繊維輪を完全に飛び出す
・完全脱出型=飛び出た髄核のかけらが、椎間板の中にある髄核と分離してしまう
・膨隆型=繊維輪に亀裂が無く、髄核が繊維輪から飛び出さず、髄核と繊維輪が一緒に膨れ出る

一般的には膨隆型ヘルニアが多いと言われています(特に若い人)。
椎間板ヘルニアが起こりやすい場所は、腰椎4番と5番の間(L4 L5) 腰椎5番と仙骨1番(L5 S1)の間です。
椎間板ヘルニアは、腰から足先にかけてしびれや痛みが起こり、筋力の低下などもみられ、次のような症状を引き起こします。

・せきやくしゃみでも激痛がおこる。
・神経根を圧迫して坐骨神経痛などの症状を引き起こす。
・ひどい場合は排尿ができなくなる場合もある。
・腰を曲げないと痛みで立っていられないほどの腰痛と下肢の痛みがある。

前傾姿勢・イスに腰掛けるの辛く、横になっているのが楽というのが一般的な症状。
椎間板ヘルニアを起こす原因は、加齢によるもの、背骨に予想以上の力がかかった事が考えられます。
髄核(椎間板の中心部にある)が弾力性を失い、繊維輪に亀裂が生じ髄核が繊維輪を破って飛び出し神経を圧迫した結果起こるものです。
脊柱のクッションの役割を果している椎間板は、年齢とともに(20歳を過ぎ)次第に衰えてくる為、働き盛りの20歳〜30歳代の軽作業(事務、運転、セールス、看護、家事など)の人に多く見られます。
椎間板ヘルニアの対処法としては、次のような手術療法も考えられます。

・ヘルニア -椎間板ヘルニアのレーザー治療
・ラブ法(LOVE法)
・内視鏡下ヘルニア摘出術 MED法
・経皮的髄核摘出術
・脊椎固定術
・経皮的椎体形成術

これらは、その症状の程度により、決定されますが、手術後、5年で再発するというデータも多く報告されていることからも、私達、指圧・マッサージに携わっている者としては、あまり勧めることはできません。しかし、日常の生活に多くの支障を来し、仕事に従事できないほどの症状に対してはその限りではありません。
指圧・マッサージは、ヘルニアを元にもどすことを目的とはせず、周囲の筋肉や神経の緊張をほぐし、痛みやしびれの軽減に努めます。